「アジアを結ぶ獅子たち」

国立劇場で観ました。例のごとく怪しい物好きな実家の面々と。
日本  法霊神楽(ほうりょうかぐら)権現舞//出演=法霊神楽保存会(青森県 八戸市
韓国  水営野遊(スヨンヤリュ)  両班(ヤンバン)の場/ヨンノの場/爺婆(ヨンガム・ハルミ)の場/獅子舞(サジャチュム)の場//出演=水営野遊保存会(大韓民国 釜山廣域市)
ベトナム  ハノイ建都1000年記念テトの獅子舞(テトのムーラン)四季興隆(トゥクィービンアン)/北獅戯球(ソンズヒーカウ)/獅上梅花椿(ランレンマイホアテュン)//出演=衡英堂龍獅藝術團(ベトナム社会主義共和国 ホーチミン市
休憩
日本舞踊  連獅子(れんじし)//出演=花柳壽輔(親獅子)、花柳輔太朗(仔獅子)ほか 東音宮田哲男(唄)、杵屋勝国(三味線)、堅田喜三久(囃子)ほか
前半素晴らしかったです。芸能の祭典。
日本は八戸のおがみ神社の権現舞です。さすが南部藩、渋い踊りだわねぇ、と思っていたら最後に花道に獅子が沢山でてきて「一斉歯打ち」なるものをいたします。ちびっちゃいのも出演です。けっこー盛り上がりました。
韓国は仮面劇です。ヤンバンを揶揄する話ばかりです。庶民の想いが、怖いぐらいドライに演じられます。韓国の芸能を観るとときめきます。韓国は情熱的なイメージがありますが、庶民の芸能は、もっともっと醒めていて熱く強いです。それだけ、階級社会が厳しかったのだろうと推測します。韓国の芸能を観ると、政治のつくる歴史ではなく、そこに息づく人の歴史を知りたいと思います。え、っと獅子舞。獅子が虎を喰っちまいます。何でも韓国で一番怖い動物は虎なんだそうです。獅子が虎を喰って人を護ってくれるということです。
ベトナムの獅子舞、これは華やかだった。なぜハノイの建都1000年でサイゴンの芸術団なのか、ちょっとニヤっとしてしまいますが、まぁ、そういう事情なんでしょう。2人の人間で1頭を演じる春夏秋冬を表す獅子が4頭出てきます。色々な芸が披露されるのですが、もう、最初に舞台に出てきておっきなお目目をパタパタとしばたいた途端、お客さんの心を鷲掴みです。愛らしい事この上ない。最後は1頭が山の稜線に見立てた柱の上で飛んだりはねたり芸を披露する、というものですが、ぷるぷる震えてみたり、のびてみたり、まー、ホントに観て得しましたよ。いやー。かわいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!
国立劇場のサイトの記事に、写真付きで載っているので、是非是非!!!!!
ベトナムhttp://www.ntj.jac.go.jp/member/pertopics/per100909.html
韓国http://www.ntj.jac.go.jp/member/pertopics/per100924.html
日本舞踊は、おそらく素晴らしい内容なのだとは思いますが、前半、庶民の芸能で会場が沸き立っていたので、構成としてバランスがあまりよろしくないように思いました。これだけ見に来た関係者やお弟子さんたちと思われる方々が後半入ってきました。それ自体は悪い事ではないのでしょうが、客の為でない芸は芸能じゃないですよね。お弟子さんがいなければ家元の生活は成り立たないので致し方ないとは思いますが。
あ、そうそう皇太子夫妻がいらしていました。テレビで拝見するより、遥かに魅力的な方々でした。