書籍『国のない男/カート・ヴォネガット』

ヴォネガットの遺作。訳は金原瑞人
シルクスクリーンによる挿絵の美しい本。

引用--
「善が悪に勝てないこともない。
ただ、そのためには天使が
マフィアなみに組織化される必要がある。」
"THERE IS NO REASON
GOOD CAN'T TRIUMPH OVER EVIL,
IF ONLY ANGELS WILL GET ORGANIZED
ALONG THE LINES OF THE MAFIA."

ヴォネガット自身が「ラッダイト」(新しいものが大嫌いな人間)と呼ばれていること、進化や新しい製品によって、いかに人とのおしゃべりや、外を歩くことなどの楽しいときが奪われているかについて。

本からの引用--
電子化されたって、いいことなんか、何もない。苦労するだけ損だ。われわれはダンシング・アニマルなのだ。起きて、外に出て、何かするというのはすばらしいことではないか。われわれは、この地球に住んでばかばかしいことをするために生まれてきた。これに関してはだれにも違うとは言わせない。

今まで会った中でいちばん賢い人との対話の中から

本からの引用--
わたしは言った「ソール、きみは才能があるのかい?」
六秒後、彼はうなった。「答えはノーだ。しかしどんな芸術においても、いちばん大切なのは、芸術家が自分の限界といかに戦ったかということなんだ」

最後
MY FATHER SAID, "WHEN IN DOUBT, CASTLE."

国のない男

国のない男