映画『once ダブリンの街角で』(ネタバレ)

原題は"once"。
映画館で知ったのだけれど、本年度アカデミー賞オリジナル歌曲賞受賞。
舞台はダブリン。
チェコから夫と離れて来た女と、女にふられたストリートミュージシャンの愛の物語。
物語そのものは、はらはらの連続。なぜかと言うと、ここで何も不幸が起きない筈がない、と思って観ているからです。
ところが、日常を、深まる愛情を、サクセスストーリーを、淡々と描きつつ、素晴らしい音楽に溢れたまま、この音楽で結ばれているカップルは男女の愛を成就させる事はなく、私自身は、ほっと安心して映画は終わります。

最初に彼女が出て来る場面では"Big Issue"を抱えていて、生活レベルが想像できます。日本でビッグ・イッシューを売っているのはホームレスの人々ですが、英国では、こういう光景が見られるんでしょうね。
ロンドンで売り込むために、自分の歌を録音するためのバンドメンバーを探すシーンでは、相手のストリートミュージシャンが「シン・リジーか?』と尋ね、この辺り、ぷぷっと笑ってしまいました。

彼らは本当のミュージシャンらしいです。

この音楽が素晴らしいのです。

オスカー授賞式での演奏。

私は下高井戸シネマで観ましたが、渋谷シネ・アミューズで3月15日から21日1,000円均一で凱旋上映するらしいので、お見逃しなく。

監督・脚本 : ジョン・カーニー
出演 : グレン・ハンサード 、 マルケタ・イルグロヴァ 、 ヒュー・ウォルシュ 、 ゲリー・ヘンドリック 、 アラスター・フォーリー